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ジオラマ標本の作り方
「カブトムシやクワガタは死んでしまうから」という声を耳にすることがありますが、 高価な生体が死んでしまってもガッカリしないで下さい。 飼育以外に標本という楽しみ方もあり、コレクションとして・思い出を形として残すことができます。
ここでは、私独自の作り方を説明します。 |
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薬品付け 標本にするカブトムシやクワガタを色落ち防止・消臭・防腐のため薬品付けします。 一般的には生体のパーツが完全な状態の時に処理します。 薬品の分子構造が大きいので気体化した分子を体内に 浸透させる必要があるので生きているうちに行いますが、 私は、確実に死ぬのがわかる状況を見極めるか、死んだらすぐに処置します。
薬品は酢酸エチルが一般的に使われています。 この薬品は薬局で1週間ほど待ちますが身分証明ができるものと印鑑があれば 購入できますが、薬品会社のほうが早いです。 尚、劇物指定されている薬品なので記載されている注意事項をよく読み、 取り扱いには注意をしてください。 |
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生体が汚れているときは、歯ブラシで体のパーツが壊れないようにきれいにしてください。 生体の入る大きさで栓のあり、密封できるガラス瓶(ジャム・蜂蜜などの瓶)を用意します。 酢酸エチルを軽くティッシュに染み込ませてガラス瓶の中に入れます。 生体を中に入れ栓をし、密封します。 |
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薬品が効くまで待ちます。 生体の大きさによりますが、薬品の浸透条件が悪いので大きいもので2日間かけて行います。 生きている時に行う一般的な方法では6時間ぐらいです。 |
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形作り 標本となる生体のポーズを作る作業で、ここから乾燥して形が固まるまでで作品の出来ばえが決まります。
用意するもの 細かい目の金網・ガーゼ・朽木表皮か朽木の枝など台座となる物(乾燥した物) ピンセット・木工用ボンド・絵筆・子皿 生体のポーズを考えます。 考えたポーズになるように、体の腹部面の凹凸に合わせて金網を大まかに曲げます。 生体を瓶から取り出して大体のポーズになるようにし、アゴの開き具合を決めてアゴとアゴの間に スポンジなどをはさんで開きを固定補強します。 |
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金網に生体を載せ胴体の位置を合わせ、前足、後ろ足、中足の順にポーズを合わせながら ピンセットやピンを使って足のつめが開いた形になるように金網の目にひっかけるような感じで セットします。(テンソクと言います) |
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最後に触覚などをよいポーズにしていきます |
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金網の下にガーゼを置きポーズィングした金網を置いて乾燥にはいります。 一般的標本では、ここで生体が平らになるようにダンボールで台座を作り、その上にガーゼを引き ムシピンで固定します。 生体を乗せ足のケイ節が胴体と平行かつ水平90度に曲がるようにピンで固定してゆきます。 |
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ポーズがある程度固まるのに1〜2週間かかりますが、その間に形が崩れないように時々修正をします。 |
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台座 ポーズがある程度固まる間に、標本の台座を作ります。 用意した表皮や枝を程よい大きさし、木工用ボンドを水で2倍に薄めたものを 絵筆で全体を2〜3回塗ります。乾くと質感が出ます。 |
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セット 1〜2週間たった半乾きの時、加工した台座に金網と同じ順番で壊さないように移します。 標本の台座に着く部分を木工用ボンドできれいに接着します。
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触覚や足などの壊れやすい部分に薄めたボンドを2〜3回塗ります。 この時も型崩れしないように修正し、ボンドが乾くまで待ちます。 ポーズが安定しない場合、アゴと同じように落ち着くまで固定補強します。 |
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乾燥 セットの終わったものを、乾燥させますが完全に乾燥するのに3ヶ月かかるので、虫食いやカビ・破損に 注意してください。
標本ケース 市販されているものは、サイズの合ったものがない場合や値段も高いので自分なりに工夫するとよいです。 私はコレクションボックスを使っています。
乾燥の終わったものを、補強を外してケース中にボンドで固定し造花用の観葉樹の葉などで デコレーションすれば完成します。
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保管管理として 薬品処理してもまれにカビや虫が着くことがあるので収納剤(パラゾールなどのナフタリン)とお菓子の 乾燥剤をケース内に入れる事をお勧めします。 また、日光による日焼けで生体の色が変色しますので、保管場所にも注意して下さい。 |